株価指数 株式投資

1989年の日経平均採用銘柄の一覧(&現在の状況と消えた銘柄達のフォロー)

2024年2月23日

本稿では「1989年の日経平均採用銘柄」のリストを掲載する。

先日以下の記事で

「1989年の日経平均採用銘柄のうち2024年現在まで残っているのは何銘柄あるか?」

を検証したのでそのバリエーションです。こちらの記事も併せてどうぞ。

1989年末の日経平均採用銘柄

「継続採用銘柄」と「途中で除外された銘柄」の2つのカテゴリに分ける。

区分1 継続採用銘柄(現在も同じ証券コードで日経平均に採用されている銘柄)→111銘柄

説明

以下は、2024年も1989年末も同じ証券コードで日経平均に採用されている銘柄である。上場法人が変わる組織再編をしていない銘柄がこれに該当する
(例えば、麒麟麦酒は2007年に持株会社制に移行しているが、これは会社分割で事業子会社を新設し親会社になる(旧)麒麟麦酒がキリンHDに商号変更し上場継続する方法だったので、上場法人に変更なく証券コードも変わらない。)

銘柄名は現在のものだが、備考欄に1989年当時の銘柄名を記載した。

証券コード 銘柄名 備考(当時の商号等)
1332 ニッスイ 日本水産
1801 大成建設  
1802 大林組  
1803 清水建設  
1812 鹿島建設  
1925 大和ハウス工業  
2002 日清製粉グループ本社 日清製粉
2501 サッポロHD サッポロビール
2502 アサヒグループHD アサヒビール
2503 キリンHD 麒麟麦酒
2531 宝HD 宝酒造
2801 キッコーマン  
2802 味の素  
2871 ニチレイ  
3401 帝人  
3402 東レ  
3405 クラレ  
3407 旭化成  
3861 王子HD 王子製紙
3863 日本製紙 十條製紙
4004 レゾナック・HD 昭和電工
4005 住友化学  
4021 日産化学  
4042 東ソー  
4061 デンカ 電気化学工業
4063 信越化学工業  
4151 協和キリン 協和発酵
4208 UBE 宇部興産
4502 武田薬品工業  
4503 アステラス製薬 山之内製薬
4506 住友ファーマ 大日本製薬
4901 富士フイルムHD 富士フイルム
4902 コニカミノルタ コニカ
5101 横浜ゴム  
5108 ブリヂストン  
5201 AGC 旭硝子
5232 住友大阪セメント 住友セメント
5233 太平洋セメント 小野田セメント
5301 東海カーボン  
5332 TOTO 東陶機器
5333 日本碍子  
5401 日本製鉄 新日本製鐵
5406 神戸製鋼所  
5631 日本製鋼所  
5706 三井金属鉱業  
5711 三菱マテリアル 三菱金属
5713 住友金属鉱山  
5714 DOWAHD 同和鉱業
5801 古河電気工業  
5802 住友電気工業  
5803 フジクラ 藤倉電線
6103 オークマ 大隈鐵工所
6301 小松製作所  
6326 クボタ  
6361 荏原製作所  
6471 日本精工  
6472 NTN  
6473 ジェイテクト 光洋精工
6501 日立製作所  
6503 三菱電機  
6504 富士電機  
6701 日本電気  
6702 富士通  
6752 パナソニックHD 松下電器産業
6753 シャープ 当時採用→2016年除外→2020年再採用
6758 ソニーグループ ソニー
6841 横河電機  
6902 デンソー 日本電装
7004 日立造船  
7011 三菱重工業  
7012 川崎重工業  
7013 IHI 石川島播磨重工業
7201 日産自動車  
7202 いすゞ自動車  
7203 トヨタ自動車  
7205 日野自動車  
7261 マツダ  
7267 本田技研工業  
7269 スズキ 鈴木自動車工業
7731 ニコン  
7751 キヤノン  
7752 リコー  
7762 シチズン時計  
7911 TOPPAN HD 凸版印刷
7912 大日本印刷  
7951 ヤマハ  
8001 伊藤忠商事  
8002 丸紅  
8031 三井物産  
8053 住友商事  
8058 三菱商事  
8233 高島屋 当時採用→1991年除外→2001年再採用
8604 野村HD 野村證券
8801 三井不動産  
8802 三菱地所  
9001 東武鉄道  
9005 東急 東京急行電鉄
9007 小田急電鉄  
9008 京王電鉄  
9009 京成電鉄  
9101 日本郵船  
9104 商船三井 大阪商船三井船舶
9107 川崎汽船  
9202 ANAHD 全日本空輸
9301 三菱倉庫  
9432 日本電信電話  
9501 東京電力HD 東京電力
9503 関西電力  
9531 東京瓦斯  
9532 大阪瓦斯  
9602 東宝 当時採用→1991除外→2006再採用

 

区分2 途中で除外された銘柄(上場法人が変わる組織再編、上場廃止、入れ替えによる除外)→114銘柄

説明

以下は、1990年から2023年までの間に日経平均から除外された銘柄である。除外理由を大別すると、上場法人が変わる組織再編、上場廃止や(当時の)東証二部への指定替え、純粋に流動性等で他銘柄に入れ替え、の3類型になる。

銘柄名は除外時のものだが、変更がある場合は備考欄に1989年当時の銘柄名現在の銘柄名や所属するグループを記載した(目視確認によるベストエフォートベース)。

コード 銘柄名 除外年 備考(当時の商号や現在の状況(現日経平均採用銘柄のみコードも記載))
1301 極洋 2002  
1331 ニチロ 2000 現マルハニチロ
1501 三井鉱山 2000 現日本コークス工業
1503 住友石炭鉱業 2000 現住石ホールディングス
1601 帝国石油 2006 現1605INPEXに
1804 佐藤工業 2002 会社更生法適用で上場廃止、2009年更生手続終結
1805 飛島建設 2002 「あすかけんせつ」ではない
1806 フジタ 2002 指数除外後2009年に上場廃止、現在大和ハウス傘下
1815 鉄建建設 2000  
1885 東亜建設工業 2003  
2001 日本製粉 2006 現ニップン
2102 台糖 1991 現DM三井製糖HD
2108 日本甜菜製糖 2000  
2201 森永製菓 2005  
2202 明治製菓 2009 現2269明治HDに
2261 明治乳業 2009 現2269明治HDに
2533 合同酒精 1992 現オエノンHD
2536 メルシャン 2004 上場廃止しキリンHD傘下
2601 ホーネンコーポレーション 2000 現J-オイルミルズ
2602 日清オイリオグループ 2007 1989年当時は日清製油
3001 片倉工業 1991  
3101 東洋紡 2023  
3102 カネボウ 2005 1989年当時鐘紡。整理されカネボウ化粧品(花王傘下)、クラシエHD(ホーユー傘下)等に
3103 ユニチカ 2022  
3104 富士紡績 2000 現富士紡ホールディングス
3105 日清紡ホールディングス 2021 1989年当時は日清紡績
3110 日東紡 2015  
3201 日本毛織 1995  
3202 大東紡織 1992 現ダイトウボウ
3302 帝国繊維 1991  
3403 東邦レーヨン 2000 帝人(3401)に吸収合併
3404 三菱レイヨン 2010 現4188三菱ケミカルGに
3702 山陽国策パルプ 1993 現3863日本製紙に
3862 本州製紙 1996 現3861王子HDに
3864 三菱製紙 2013  
3865 北越紀州製紙 2017 現北越コーポレーション
4001 三井東圧化学 1997 現4183三井化学に
4010 三菱化学 2005 現4188三菱ケミカルGに
4022 ラサ工業 2000  
4041 日本曹達 2016  
4045 東亞合成 2008  
4064 日本カーバイド工業 2000  
4092 日本化学工業 2000  
4201 日本合成化学工業 2000 現4188三菱ケミカルGの三菱ケミカルに吸収合併
4272 日本化薬 2020  
4401 旭電化工業 2000 現ADEKA
4403 日本油脂 2000 現日油
4501 三共 2005 現4568第一三共に
5001 新日本石油 2010 現5020ENEOS HDに、1989年当時は日本石油
5002 昭和シェル石油 2019 現5019出光興産に
5004 三菱石油 1999 現5020ENEOS HDに
5005 東燃 2000 東燃→東燃ゼネラル→JXTG→ENEOS
5014 ジャパンエナジー 2002 1989年当時日本鉱業、日本鉱業→ジャパンエナジー→JX→ENEOS
5202 日本板硝子 2023  
5231 日本セメント 1998 現5233太平洋セメントに
5238 三菱鉱業セメント 1990 現5711三菱マテリアルに
5302 日本カーボン 2000  
5331 ノリタケカンパニーリミテド 2000  
5351 品川白煉瓦 2000 現品川リフラクトリーズ
5403 川崎製鉄 2002 現5411JFE HDに
5404 日本鋼管 2002 現5411JFE HDに
5405 住友金属工業 2012 現5401日本製鉄に
5478 日本ステンレス 1992 住友金属に吸収合併、現5401日本製鉄傘下の日鉄ステンレス
5479 日本金属工業 2000 現日新製鋼
5480 日本冶金工業 2000  
5563 日本電工 2000 現新日本電工
5632 三菱製鋼 2000  
5701 日本軽金属 2012 現日本軽金属HD
5707 東邦亜鉛 2023  
5715 古河機械金属 2018  
5721 志村化工 2000 現エス・サイエンス
5805 昭和電線電纜 2000 現SWCC
5901 東洋製罐HD 2021 当時東洋製罐
5981 東京製綱 2000  
6011 新潟鉄工所 2001 会社更生法適用。日立造船等に事業譲渡
6366 千代田化工建設 2019  
6461 日本ピストンリング 2000 現リケンNPR
6474 不二越 2004  
6502 東芝 2017 バラバラになりTOBで非上場化
6508 明電舎 2017  
6703 OKI 2022 当時沖電気工業
6764 三洋電機 2011 現6752パナソニックHD傘下(事業はグループ内外に譲渡しほぼ解体)
6933 ユアサコーポレーション 2004 現6674ジーエス・ユアサに
7003 三井E&S 2023 当時三井造船
7102 日本車輌製造 2004  
8088 岩谷産業 2000  
8231 三越 2003 現3099三越伊勢丹HDに
8232 東急百貨店 2005 東急電鉄(現9005東急)が完全子会社化
8235 松坂屋 1991 現3086J.フロントリテイリングに
8236 丸善 2000 現丸善CHIホールディングス
8311 第一勧業銀行 2000 現8411みずほ FGに
8313 東京銀行 1996 現8306三菱UFJ FGに
8314 さくら銀行 2001 現8316三井住友 FGに、1989年当時は三井銀行
8315 東京三菱銀行 2001 現8306三菱UFJ FGに、1989年当時は三菱銀行
8317 富士銀行 2000 現8411みずほ FGに
8318 三井住友銀行 2002 現8316三井住友 FGに、1989年当時は住友銀行
8401 三井信託銀行 2000 現8309三井住友トラストFGに
8402 三菱信託銀行 2001 現8306三菱UFJ FGに
8511 日本証券金融 2000  
8583 三菱UFJニコス 2008 現8306三菱UFJ FG、当時は日本信販
8603 日興コーディアルグループ 2008 現8316三井住友 FGに、1989年当時は日興証券
8751 東京海上火災保険 2002 現8766東京海上HDに
8752 三井住友海上火災保険 2008 現8725MS&ADに、1989年当時は三井海上火災
8755 損害保険ジャパン 2010 現8630SOMPO HDに、1989年当時は安田火災海上
8803 平和不動産 2015  
9006 京浜急行電鉄 2001  
9062 日本通運 2021 現9147NIPPON EXPRESS HDに
9105 ナビックスライン 1999 現9104商船三井に
9126 昭和海運 1998 現9101日本郵船に
9302 三井倉庫 2000  
9601 松竹 1991  
9605 東映 2006  
9606 にっかつ 1993 会社更生法申請→更生手続終結(2001)、現在日本テレビ系列
9681 東京ドーム 2019 当時後楽園スタヂアム

所見

完全に解体された会社はそんなに多くない

除外された114銘柄のほとんどは業界内の再編に伴う非上場化であり、破綻してバラバラになった会社は少数派である。2000年の大規模改変(30銘柄入替え)で除外されたオールドエコノミーの鉱業、非鉄、化学等の会社の中にも経営破綻した会社は無く、現在でも上場企業として日本経済を支えている。

とはいえ、バラバラになり原型をとどめていないかつての日経平均採用銘柄もある。象徴的な4社を以下に紹介する。

3102 カネボウ(鐘紡)

債務超過の隠蔽のために粉飾決算を繰り返したカネボウは2005年に上場廃止に。この事件では経営陣と会計士に多数の逮捕者が出た。化粧品事業は花王に売却され(現)カネボウ化粧品に、食品・日用品事業は本体から切り離されクラシエ(現在はホーユー傘下)になった。

6502 東芝

粉飾決算(「チャレンジ」)とウエスチングハウス買収の失敗でボロボロになった東芝は優良な事業を切り売りすることに2010年代後半を費やした。
医療機器→キヤノン
白物家電→美的集団(ミデアグループ)
テレビ→ハイセンス
メモリ(現キオクシア)→ベインキャピタル・SKハイニックス等の企業連合
パソコン(現Dynabook)→シャープ
2023年にTOBで非上場化し株式市場から退出。帰ってくる日は来るのか。

6764 三洋電機

デジタル製品の価格下落や新潟県中越地震による工場被災で三洋電機は2005年以降3気連続赤字に。2011年にパナソニックによるTOBで上場廃止し、三洋電機の事業はハイアールに売却された洗濯機・冷蔵庫等を除きパナソニックに集約された。サンヨーブランドを見なくなって久しいが、実は2024年現在も法人としての三洋電機は残存している。

8603 日興証券

かつて四大証券の一角だった日興証券は、2008年に提携関係にあった米シティグループの完全子会社となり上場廃止(当時は日興コーディアルグループ)。しかし証券事業は2009年に早々に三井住友FGに売却され2011年にSMBC日興証券となった。
この右往左往の再編の過程でSMBC日興証券は三井住友FG傘下、日興アセットマネジメントは三井住友トラストFG傘下、NCT信託銀行(旧日興シティ信託銀行)は野村信託銀行に統合といろいろな会社がバラバラになった。
さて、日興グローバルラップというファンド評価会社はどの系列だか分かりますか?ここは日興アセットではなくSMBC日興証券サイドなので三井住友FGの方。なんなら三井住友DSアセットと同じビルにオフィスがある。日興とつく運用会社なのに日興アセットとは資本関係が無い。

おわり

以上です。

なにかの参考になれば。

 

SNSとブログランキング

↓のアイコンからTwitterのシェアやブログランキングのクリックをしていただけると大変励みになります!



株式ランキング

投資信託ランキング

-株価指数, 株式投資
-,