株式投資

iOS14の株価ウィジェットの注意点と暫定的な対処(表示銘柄数が減る)

2020/9/20

日本時間の9月18日頃から、iPhoneの最新OSであるiOS14にアップデート可能になりました。 目新しい新機能はいろいろありますが、株価ウィジェットの仕様に注意が必要だと感じたので記事します。 一応当ブログは「iOS 株価 TOPIX」で検索すると最上位近くにあらわれるiOS株価ウィジェットのオーソリティサイトです(大言壮語)。 銘柄数が減る(最大12銘柄⇛6銘柄に) iOSの株価ウィジェットは歴史的に、 純正の「株価アプリ」のウォッチリストに登録した銘柄を上から順にいくつか表示する という挙動をして ...

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取引・配当・コーポレートアクション

みずほFGの事例で株式併合と単元未満株と端株を解説

2020/9/19

みずほフィナンシャルグループが、2020年10月1日付けで10対1の株式併合を行います。 本稿では、株式併合の注意点について本件を題材に解説します。 「単元未満株式の取り扱い」「端数の処理代金」「なぜ会社は株式併合をするのか」についても解説します。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 株式併合とは1.1 会社法の規定1.2 みずほFGの併合のスケジュール2 株式併合の論点2.1 単元株制度との取引所の売買単位2.1.1 会社法における単元株式制度2.1.2 単元株数と売買単位のリンク2.2 端株の取り扱 ...

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株式投資

ソフトバンクのオプション取引のニュースを理解するためだけのオプションの解説

2020/9/6

2020年9月4日、米国株が主力ハイテク銘柄を中心に調整するムードの中、ソフトバンクグループのオプション取引の報道が世界中に流れました。 もとの報道は英Financial Timesです。 www.ft.com  2 usersSubscribe to read | Financial Timeshttps://www.ft.com/content/75587aa6-1f1f-4e9d-b334-3ff866753fa2News, analysis and comment from t ...

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ETF

バンガード日本撤退の国内個人投資家への影響

2020/8/28

2020年8月26日、大手運用会社のバンガード・グループが日本市場からの撤退を発表しました。 JP  5 users米バンガード、日本と香港から撤退へ 中国本土に重点https://jp.reuters.com/article/vanguard-hongkong-exit-idJPKBN25M1A0米資産運用会社バンガード・グループは26日、日本と香港から撤退すると発表した。香港上場投資信託(ETF)の取り扱いも中止する。 翌27日に日本法人であるバンガード・インベストメンツ・ジャパン ...

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株価指数 取引・配当・コーポレートアクション

ダウ工業株30種平均の計算方法(算出要領の概説や日経平均との違い)

2020/8/26

ダウ工業株30種平均の算出方法を具体的に解説します。 計算方法にフォーカスして、算出者のS&Pダウ・ジョーンズインデックス社が公表するメソドロジー(算出要領)の相応に深いところにも言及します。 その代わりに「1896年に12銘柄で始まった」等の定性的な情報は本稿では取り上げません。すでに巷に溢れていますので。 ちょうど2020年8月末にアップルの株式分割(ウェイト大幅低下)と象徴的な銘柄入替えを控えているため基本を見ておくには良い機会だと思います。 参考:2020年8月31日基準の銘柄入替え IN ...

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取引・配当・コーポレートアクション

Appleとテスラの株式分割の注意点(Record Date≠日本株の基準日)

2020/8/24

時価総額世界最大のAppleと、時価総額世界最大の自動車メーカーのテスラが2020年8月に株式分割を行います。 報道では、Appleの株式分割は「8月24日が基準日・分割後ベースの取引は8月31日から」と書かれています(テスラは8月21日が基準日・分割後ベースの取引は8月31日)。 Bloomberg.com  4 usersアップル、1対4の株式分割発表-株価400ドルに迫る大幅上昇でhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07- ...

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ファイナンス理論

Excelによるアセットアロケーションの最適化計算

2020/7/31

本稿では、教科書的なアセットアロケーションの最適化計算をEXCELで行う際のアプローチについて解説します。 全世界株、米ドル建債券、ゴールドの3資産のケースを例に、EXCELのソルバー機能を使って最小分散ポートフォリオとシャープレシオ最大化を計算します(効率的フロンティアは今回は無し)。 実際に手を動かして「最適化」と言っても快刀乱麻を断つようなソリューションではなく、インプットする数字や最適化指標の選択に大きく左右されるものだという実感を持っていただければ嬉しく思います。 目次(クリックで各項目にジャン ...

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ETF

ETFの換金売りはなぜ7月上旬なのか(ETFの決算分配金のフロー)

2020/7/15

7月上旬の市況コメントには「ETFの換金売りが重石」というコメントがよく出てきます。 例えば以下のロイターの7月7日の記事には、 JP〔マーケットアイ〕株式:日経平均は下げ幅拡大、ETF分配金の換金売りを警戒https://jp.reuters.com/article/tokyo-stx-idJPL4N2EE10N<13:15> 日経平均は下げ幅拡大、ETF分配金の換金売りを警戒 日経平均は下げ幅を広げ、前場の安値に接近してきた。目新しい売り材料はないものの、8日と10日に指数連動型ETF(上場投信)の分 ...

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取引・配当・コーポレートアクション

伊藤忠のファミマTOBに見るインデックス運用の時代

2020/7/9

2020年7月8日、伊藤忠商事は子会社のファミリーマート株式のTOBを公表しました。 TOB成立後に少数株主をスクイーズアウトし伊藤忠の100%子会社とし、最終的にファミリーマート株式の4.9%をJAグループ(JA全農と農林中金)に譲渡する事業再編計画の一環として実施します。 これに関して、伊藤忠の適時開示に目を通したところ、 「TOBの下限株数の決定には、ファミリーマート株式のパッシブファンドによる保有が30%見込まれることを考慮した」 という旨の記載があります。 インデックス運用の普及と日銀のETF買 ...

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株式投資

ユニリーバの英蘭重複上場(二元上場)の解説

2020/7/8

本稿では、大手日用品メーカーであるユニリーバの英蘭二元上場と言われる体制について解説します。英豪系鉱山会社BHPもこの体制です。 同社は2020年中を目途に本社をイギリスに統合すると発表しましたが、これを理解するためには同社の特徴的な重複上場形態の理解が必要です。また、米国上場ADRやNYRSでユニリーバに投資する日本人投資家の現地源泉税の相違もこれに起因しています。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 ユニリーバの本社機能の統合2 ユニリーバの英蘭二元上場と一般的な重複上場・DRの違い2.1 2つの法 ...

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取引・配当・コーポレートアクション

日本株の決済サイクル短縮(T+2移行)のメリットのディープな解説

以前書いたコーポレートアクションの日程に関する記事が、わりと沢山読んでいただけています。

https://in-invest.net/2018/03/06/ca01/

「落ち日より権利付き最終売買日が重要」「決済サイクルは『T+3』と言われることも『約定日から起算して4営業日目』と言われることもあるが同じ意味」という、やや踏み込んだ解説をしたのが人気の秘密かもしれません。

さて、公表時にもニュースになりましたが、2019年7月16日(火)に約定した(売買された)取引から、日本株の受渡期間(決済サイクル)が、T+2に短縮化されます

私見ですが、個人投資家が気をつけないといけないことは、権利付き最終売買日を確認する時にT+2で考えなければいけなくなるくらいだと思います。

本稿では、T+2決済のメリットと言われている事項を検討します。
日証協主催のワーキンググループとその前段にあった勉強会の報告書を読んでいくという結構ディープな内容です。

日証協のワーキンググループ

T+2決済への移行については、業界内ではかなり前から検討されていました。日本証券業協会(日証協)では、2015年から、証券会社や信託銀行などの関係者を集めたワーキンググループを作って検討しています。

http://www.jsda.or.jp/shiraberu/minasama/20150313173226.html

2016年にワーキンググループの最終報告書が発表されたのですが、この時点ではすでに「主要国がT+2にしてるから日本もやらねば」というトーンになっており、T+2決済にメリットについては特に書かれていません。

 リーマンショック等を契機とした決済リスク削減の意識の高まりもあり、海外の主要市場においては、殆どの国・地域において、株式等の決済期間がT+2化に移行している又は移行時期を決定している段階にある。こうした状況を踏まえ、我が国においてもT+2化の実現に向けた検討を行うため、2015 年7月に「証券受渡・決済制度改革懇談会」の下に「株式等の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ」(以下「WG」という。)を設置し、業界横断的に株式等のT+2化の実現に向けた具体的な検討を行ってきた。

「株式等の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ 最終報告書」

決済期間短縮のメリットについては、2014年から日証協や東証が事務局になって開催されていた「株式決済期間短縮(T+2)に関する勉強会」の報告書まで遡る必要があります。

1.株式決済期間短縮化の実現により想定されるメリット
株式決済期間短縮化よって想定されるメリットについて検討を行い、概ね以下の4点に集約された。
1-1 決済リスクの削減
リーマン・ショックを契機に、決済リスクの削減は我が国を含め国際的な課題と認識されているところであるが、決済期間短縮化に伴う未決済残高の縮減により、以下の決済リスクを削減できる。
① 破綻時の流動性リスク
・取引相手から予定どおり資金や証券を受け取れないリスク
② 再構築コストリスク
・取引相手が決済不能に陥った場合に当該取引が持つ等価又は正の現在価値を実現できないリスク
1-2 資金効率の向上・担保負担の軽減
決済の早期化により証券・資金をさらに活用した運用等が可能となり、流動性向上が期待できる。また、昨今の証拠金規制や資本規制等の強化により、市場参加者において資金利用の効率化、証拠金等の担保負担の軽減について世界的にニーズが高まっている状況にあるなかで、株式の清算基金所要額が決済期間短縮分削減されることとなり担保負担が軽減される。
1-3 業界全体として決済事務の一層の合理化・効率化
決済期間短縮化の実現に必要な取組みを業界全体で推進することにより、業界全体として決済事務の一層の合理化・効率化を図る原動力となる。
ただし、合理化・効率化を進めるにあたっては、その必要性について十分な検討が必要である。
1-4 我が国市場の国際競争力の維持・向上
以上の効果により、我が国市場の安全性・効率性・利便性を向上させ、国際競争力の維持・確保につながることが期待できる。
また、他の主要市場がT+2決済化を目指すなか、日本のみT+3決済のままである場合、我が国市場が決済リスクの高い市場とみなされ、投資を回避されるなど、国際的地位が低下する可能性もある。
海外投資家はグローバルで決済事務を統一化するニーズがあり、日本のみ決済期間が異なることにより海外投資家の日本への投資意欲が減退する可能性もあり、国際標準に沿った決済制度を導入することで国際競争力を維持する必要がある。

株式決済期間短縮(T+2)に関する勉強会事務局「株式決済期間短縮(T+2)に関する勉強会報告書」
※太字強調は当サイトによる。

T+2移行のメリット

では、勉強会報告書で挙げられている4つのメリットを順番に検討してみましょう。

決済リスクの削減

取引が約定してから、証券と代金の受渡までの間に取引相手方が経営破綻(破産、民事再生、自主廃業等)してしまった場合は、証券やお金を受け取れない可能性があります。例えば、破産の手続に入ると、会社の資産の処分権は破産管財人に移ります。

T+3決済だと通常、当日約定分(3営業日後に決済)、前営業日約定分(翌々営業日に決済)、前々営業日約定分(翌営業日に決済)の3日分の未決済の取引が存在することになります。これがT+2決済になると当日約定分(翌々営業日に決済)、前営業日約定分(翌営業日に決済)の2日分の未決済取引だけになるので、取引相手の破綻リスクを負っている取引をへらすことができます。
これが決済リスクの削減です。

一見もっともらしいんですが、主要国の証券市場では、すでにこの手のリスクを回避するための仕組みが整備されています。いわゆるCCP(セントラルカウンターパーティ、中央清算機関)の利用です。
詳細な説明は以下の日本証券クリアリング機構のサイトを見ていただきたいのですが、CCPという機関が資金と証券の受渡債務を証券会社から一括して引き受けることで、個々の証券会社は取引相手の破綻リスク(カウンターパーティリスク)を回避できるという仕組みです。

https://www.jpx.co.jp/jscc/seisan/genbutsu/acceptance_debt/hikiuke.html

そして、証券会社は普段からCCPに証拠金を差し入れ、証券会社が破綻して受渡ができなくなった時は、証拠金によってCCPが取引を埋め合わせます。
もちろんこの場合でも、破綻した証券会社が履行できなくなった債務をCCPが処理する必要があるので、未決済の取引は減らした方が良いです。ただ、根本的な問題というより程度の問題です。

ちなみに、日本だと東証の子会社の日本証券クリアリング機構、米国だとDTCCという機関がCCPをしています。2008年の金融危機以降、上場株だけでなく、様々な金融商品がCCPを介して決済されるようになりました。現在では、金利スワップやCDSといった一部の店頭デリバティブの清算もCCPを経由しています。

資金効率の向上・担保負担の軽減

A社株の売却代金で別の銘柄を買おうとする場合、T+3だと3営業日後まで待つ必要があるが、T+2ならば2営業日後に売却代金の入金が確認できるので、早い段階で次の買い付けができる、ということです。

これももっともらしいのですが、個人投資家にはあまり関係ないと思います。そもそも頻繁にトレードする投資家は一部ですし、頻繁にトレードする人は信用取引を使うでしょう。
また、現物取引であっても、以下の説明のように、売却が約定するとその時点で買付余力に反映される証券会社が多いのではないでしょうか。(フェイル(受渡がスケジュール通りになされないこと)したらどうなるんだろう?とは思います。)

https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/stock/rule/surfing.html#skip1

https://www.okasan-online.co.jp/jp/stock/beginner/study01-05.html

機関投資家でも、日本株はフェイルを気にせず、受渡日には当然に売却代金が入ってくる前提で売買している場合が多いように思います。
外国株だと、フェイルがそこそこあるので、売り買い同時に発注する時は売りを多めにしたりファンドのキャッシュに余裕をもたせるという話も聞きます。

従って、決済期間の短縮化が投資家の資金効率に資するかというのは個人的には疑問です。報告書の後段で言われているCCPに差し入れる保証金が減らせるというのはその通りだと思います。ただ、これは投資家ではなくブローカーのメリットです。

業界全体として決済事務の一層の合理化・効率化

これはよく分かりません。
決済サイクルを短縮化すれば、時間がタイトになった分、皆効率的に仕事するだろうという暴論に見えます。

我が国市場の国際競争力の維持・向上

結局これなのだと思います。
2017年に米国がT+2決済に移行したことから、現在T+3決済の国は世界の中で浮いた存在になりつつあります。アジア先進国でずっとT+3仲間だったオーストラリアは2016年に、シンガポールも2018年12月にT+2決済に移行してしまいました。
報告書の「他の主要市場がT+2決済化を目指すなか、日本のみT+3決済のままである場合、我が国市場が決済リスクの高い市場とみなされ、投資を回避される」というのは大袈裟に感じますが、グローバルなマンデート(MSCI ACWIやEAFEベンチマーク)で資金を運用する投資家にとっては、現実問題として決済サイクルが揃っていた方が考慮すべき事項が減ります。

おわり

以上がです。
これがきっかけで何かがすごく変わるわけではないですが、オペレーションや取引の規格は多数派に合わせた方が有利です。
いち投資家としてT+2移行応援しております。

 

 

  • この記事を書いた人

ton

2007年から運用会社や金融機関の運用部門で株を中心に見てきました。 現在は運用業務からは離れていて運用は自己資金のみ。 投信の請求目論見書や指数の算出要領からプロダクトの中身に迫るのが好き。

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