投資信託

投資信託の基本と分類

2017年11月7日

資産運用のための有用なツールの一つが投資信託です。
本稿では投資信託の基本的な解説と分類(どういう種類があるか)を中心に解説します。

投資信託の基本

最初に、投資信託とは何かについて簡単に解説します。

投資信託≒ファンド

「投資信託」は日本の投信法に基づいて設立される「ファンド」です。
「ファンド」というのは、複数の投資家の資金を合同運用する投資スキームです。

「ファンド」としてお金を運用するのであれば、投資信託以外にもいろいろな形態があります。
会社法に定める「株式会社」や民法に定める「組合」でも良いですし、投信法は投資信託とは別に「投資法人」というスキームも定めています。

ただ、時価のある有価証券に投資するファンドを作る場合には、日本では「投資信託」の形態が選択されることが多いです。
運用と販売のための制度が整備されており、歴史的にも日本におけるファンドのプレーンな形態として発展して来たためだと思います。

投資信託の説明資料を見ると「預金とは異なること」「投資元本を割り込むリスクがあること」がくどいくらい書かれています。
これはファンドである以上、投資信託のリスクは、ファンドの中身に依存するためです。
ファンドの中身が株であれば株価の下落で損をすることがあります。
ファンドの中身が債券であれば金利上昇により損をすることがあります。
ファンドの中身が外国株や外国債券などの外貨建ての資産であれば、円高により損をします。

規制が厳しい公募投信

投資信託のうち、一般の投資家が証券会社や銀行などで購入できるファンドは「公募」投資信託と言われます。

公募投信は、非常に規制の厳しいファンド形態です。

設立時にはファンドの約款を財務局に届出をし、有価証券届出書を財務局に提出します(これはEDINETで誰でも見ることが出来ます。)

継続して投資信託を販売するには、半期ごとに有価証券届出書を更新するほか、運用状況等をまとめた有価証券報告書を財務局に提出します。

また、投資家に対しても、運用報告書を定期的に交付することが義務付けられています。

 

投資信託の分類

投資信託(ファンド)には様々な切り口による分類があります。

  • アクティブファンドかパッシブファンド(インデックスファンド)か
  • 契約型か会社型か
  • 公募か私募か

順を追って解説します。

アクティブファンドかパッシブファンドか

TOPIXやS&P500のような指標となる株価指数(ベンチマーク)に対して、それを上回るような収益を獲得することを目指すファンドをアクティブファンドと呼びます。

テーマ型の投資信託やREITのような特定の資産クラスにフォーカスするファンドではベンチマークを定めていない場合が多いですが、「~~指数に連動した運用成果を目指す」という記載がない限り運用の実態はアクティブファンドです。

それに対して、特定の株価指数に連動するような収益を獲得することを目指すファンドをパッシブファンド(インデックスファンド)と呼びます。

日本株なら日経平均連動型とTOPIX連動型、米国株ならS&P500連動型などが一般的です。

アクティブファンドは銘柄の調査にコストがかかるため、総じて手数料率が高いです。

 

契約型か会社型か

ファンドは集団投資を行うための「箱」です。

そのため、投資家から集めた資金と運用対象の有価証券を保有するために、権利義務の帰属先になる必要があります。

契約型か会社型はファンドを権利義務の帰属先とする方法の違いです。

「会社型」は、株式会社や合同会社と同じよう、ファンド(投資法人)事態が法人格を持ち、自己の名義で有価証券等の運用対象資産を保有します。

「契約型」は、運用会社と信託銀行の締結する信託契約に基づき、信託銀行がファンドの資産の名義人となり資産の管理を行います
上場企業の大株主を見ると、日本マスタートラスト信託銀行や日本トラスティ・サービス信託銀行という名前が出てきます。
これは、これらの企業が日本を牛耳る大投資家、というわけではなく、投資信託や年金特金の資産管理を受託している信託銀行が名義人になっているためです。

 

日本における投資信託は全て「契約型」のファンドです。
また、J-REITは投資法人ですので「会社型」のファンドです。

 

公募か私募か

一般の投資家が証券会社等で購入できるものを公募の投資信託(公募投信)と呼びます。

反対に、限られた投資家にしか販売を行わない「私募」の投資信託という分類があります。

50人未満の投資家にしか募集を行わない「少人数私募」と、銀行や保険会社などの適格機関投資家のみにしか販売を行わない「適格機関投資家私募」のようなものがあります。

個人の資産運用で選択肢に入るのは公募投信の方です。
(超富裕層になれば有利な条件の私募投信が買えるようになるかもしれません・・・!)

 

実際に関係するのはパッシブかアクティブか

ここまで、3点の分類を紹介しましたが、個人投資家に実際に関係するのはアクティブかパッシブかということくらいです。
上場REITを覗いて、個人の投資対象になるような会社型のファンドはほとんどありません。また、私募投信は多くが機関投資家向けなので、個人投資家が現実的に資産運用の手段として使えるものの多くは契約型の公募投信です。

以上です。目論見書などを読んでいて、公募や契約型という言葉に引っかかっていた方の役に立てば嬉しいです。

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