ETF

全然話題になってない三菱UFJFGのESG/ETNの解説(2070,2071,2072)

2020/11/24

2020年11月26日に、三菱UFJフィナンシャルグループが運用管理するESG関連等の3つのETNが東証に新規上場します。 現在の東証ETNは野村ホールディングスの1社供給なので新規管理会社の参入ですが、これが悲しいほどに話題になっていません。 興味がある人のために、自分がETNの有価証券届出書と指数のメソドロジーを確認して気づいた事項をまとめます。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 ETNの銘柄概要2 ETN-JDRの上場形態(ストラクチャー)3 指数の詳細3.1 (前提1)STOXX JAPAN ...

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ETF

時価52兆円の東証ETF市場の見取り図(ETF/ETN組成形態別の銘柄数と時価総額)

2020/11/17

東証のETF・ETN市場の2020年11月時点の時価総額はおおむね52兆円です。 興味があって組成形態(上場形態)別の銘柄数と時価残高をまとめたので本稿で解説します。 特に海外との重複上場の形態について、JDR形態のもの(UBSの欧米株関連ファンド)と非JDR形態のもの(SPY=1557やGLD=1326)に分けてまとめたものはあまり見ないので、興味がある方は参考にしてください。 東証ETF・ETNの商品形態別銘柄数および時価残高 東証上場ETFの銘柄数および時価総額別の内訳は以下の通り。 時価は複数日に ...

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ETF

東証ETF解説:1570NF日経平均レバレッジETF

2020/10/26

ネタに困ったので、東証上場ETFを順番に解説する企画を始めます。 楽天証券の買付代金ランキング・保有残高ランキングを参考に注目度が高い50銘柄を取り上げたいと考えてます。 似たようなことやってる人は多いと思いますが、仕事でファンドや運用会社のデューデリジェンス(調査)をしていた人間が書くものはあんまりないと思うので参考にしてネ。 一発目は1570日経平均レバレッジETFです。 良くも悪くも現在の日本のETF市場はこれ抜きには語れません。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 ファンド基本データ2 パフォー ...

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株式投資

ドコモのTOBで学ぶヘッジファンドのM&Aアービトラージ

2020/10/1

2020年9月30日から、日本電信電話(NTT)は子会社のNTTドコモ株式のTOBを開始しました。 本稿では、このTOBを題材にヘッジファンドの戦略の一つであるM&Aアービトラージ(裁定取引)を解説します。 TOB初日のドコモ株式の市場終値は3,885円となり、ほぼTOB価格の3,900円近辺まで上昇しました。 この差額の15円に関する取引の解説です。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 TOBの条件2 TOB価格と市場価格の乖離3 市場価格とTOB価格の乖離を取る取引3.1 M&Aアー ...

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株式投資

iOS14の株価ウィジェットの注意点と暫定的な対処(表示銘柄数が減る)

2020/9/20

日本時間の9月18日頃から、iPhoneの最新OSであるiOS14にアップデート可能になりました。 目新しい新機能はいろいろありますが、株価ウィジェットの仕様に注意が必要だと感じたので記事します。 一応当ブログは「iOS 株価 TOPIX」で検索すると最上位近くにあらわれるiOS株価ウィジェットのオーソリティサイトです(大言壮語)。 銘柄数が減る(最大12銘柄⇛6銘柄に) iOSの株価ウィジェットは歴史的に、 純正の「株価アプリ」のウォッチリストに登録した銘柄を上から順にいくつか表示する という挙動をして ...

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取引・配当・コーポレートアクション

みずほFGの事例で株式併合と単元未満株と端株を解説

2020/9/19

みずほフィナンシャルグループが、2020年10月1日付けで10対1の株式併合を行います。 本稿では、株式併合の注意点について本件を題材に解説します。 「単元未満株式の取り扱い」「端数の処理代金」「なぜ会社は株式併合をするのか」についても解説します。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 株式併合とは1.1 会社法の規定1.2 みずほFGの併合のスケジュール2 株式併合の論点2.1 単元株制度との取引所の売買単位2.1.1 会社法における単元株式制度2.1.2 単元株数と売買単位のリンク2.2 端株の取り扱 ...

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株式投資

ソフトバンクのオプション取引のニュースを理解するためだけのオプションの解説

2020/9/6

2020年9月4日、米国株が主力ハイテク銘柄を中心に調整するムードの中、ソフトバンクグループのオプション取引の報道が世界中に流れました。 もとの報道は英Financial Timesです。 www.ft.com  2 usersSubscribe to read | Financial Timeshttps://www.ft.com/content/75587aa6-1f1f-4e9d-b334-3ff866753fa2News, analysis and comment from t ...

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ETF

バンガード日本撤退の国内個人投資家への影響

2020/8/28

2020年8月26日、大手運用会社のバンガード・グループが日本市場からの撤退を発表しました。 JP  5 users米バンガード、日本と香港から撤退へ 中国本土に重点https://jp.reuters.com/article/vanguard-hongkong-exit-idJPKBN25M1A0米資産運用会社バンガード・グループは26日、日本と香港から撤退すると発表した。香港上場投資信託(ETF)の取り扱いも中止する。 翌27日に日本法人であるバンガード・インベストメンツ・ジャパン ...

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株価指数 取引・配当・コーポレートアクション

ダウ工業株30種平均の計算方法(算出要領の概説や日経平均との違い)

2020/8/26

ダウ工業株30種平均の算出方法を具体的に解説します。 計算方法にフォーカスして、算出者のS&Pダウ・ジョーンズインデックス社が公表するメソドロジー(算出要領)の相応に深いところにも言及します。 その代わりに「1896年に12銘柄で始まった」等の定性的な情報は本稿では取り上げません。すでに巷に溢れていますので。 ちょうど2020年8月末にアップルの株式分割(ウェイト大幅低下)と象徴的な銘柄入替えを控えているため基本を見ておくには良い機会だと思います。 参考:2020年8月31日基準の銘柄入替え IN ...

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取引・配当・コーポレートアクション

Appleとテスラの株式分割の注意点(Record Date≠日本株の基準日)

2020/8/24

時価総額世界最大のAppleと、時価総額世界最大の自動車メーカーのテスラが2020年8月に株式分割を行います。 報道では、Appleの株式分割は「8月24日が基準日・分割後ベースの取引は8月31日から」と書かれています(テスラは8月21日が基準日・分割後ベースの取引は8月31日)。 Bloomberg.com  4 usersアップル、1対4の株式分割発表-株価400ドルに迫る大幅上昇でhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07- ...

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投資信託

ジョン・C・ボーグルとバンガード(長年のファンによる解説)

運用会社のバンガードの創業者であるジョン・C・ボーグル氏が1月16日に亡くなられました。
心よりご冥福をお祈りします。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-17/PLG8BL6S972801

私も上の記事を読むまで知らなかったのですが、ボーグル氏は31歳から何度も心臓発作を起こしていて、ペースメーカーを付けたり心臓移植を受けていたそうです。
病気と戦いながらバンガードをあれほど巨大で多くの投資家に支持される運用会社に育てたバイタリティは本当にすごいと思います。

資産運用ビジネスの歴史の中で、彼が果たした役割は非常に大きいです。
私は駆け出しの頃に仕事でバンガードのファンドを取り扱ったことがあり、自分の資産運用でも同社のETFを持っていたことがあるので、ボーグル氏とバンガードについては一方的に親近感を持っています。
バンガードとボーグル氏について、資産運用ビジネスと個人の資産運用の両方で愛着を持っている者の視点で書きます。

ボーグル氏の経歴については、バンガード・ジャパンの追悼記事がとても詳しくまとまっています。

https://www.vanguardjapan.co.jp/retail/articles/resources-learning/other/a-look-back-at-the-life-of-founder.htm

インデックスファンドのパイオニア バンガード

業界における立ち位置

バンガードはボーグル氏が1975年に設立した運用会社です。
日本ではヴァンガードではなくバンガードが定訳になっています。
(ヴァンガードで検索するとカードゲームが出てきます。)

現在の運用資産額(AUM)はグループ全体で5兆ドルを超えます。
運用資産額に基づくランキングだと、ブラックロックに次ぐ世界第二位です。

こちらの日経新聞の記事では、ボーグル氏のバンガードが「1976年に世界で初めてインデックス運用型の株式投信を世に送り出し」たという表現が使われています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4010164017012019EE9000/

つまり、一般の投資家が買える投資信託として初めてインデックスファンド(パッシブファンド)を作った会社がバンガードです。
(逆に、法人向けのものはそれ以前にもあったということです。1971年にウェルズ・ファーゴが年金向けに初めた商品が一番最初であると言われています。)

インデックス運用で有名な運用会社を3つ挙げるように言われたら、

  • バンガード
  • iSharesで有名なブラックロック(合併前のBGI(バークレイズ・グローバル・インベスターズ))
  • SPYやGLDで有名なSSGA(ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ)

の3社を挙げる人が多いと思います。

低コストへの取り組み

バンガードは低コストのインデックスファンドを強みにしており、それを実現するために様々な工夫をしています。
例えば、運用報告書等の作成のため、自社で印刷会社を持っています。これだけの規模があると外注より自社で印刷した方が安くあがるためだそうです。
また、2012年に、指数利用料の引き下げのため運用中のファンドの連動対象(ベンチマーク)をMSCIの指数から他のベンダーのものに変更しました。
日本の個人投資家にも人気のVWO(バンガードのエマージング株ETF)の連動対象がMSCIエマージングからFTSEのエマージング株指数に変更になったので驚いた方も多いと思います。

その他にも、株式非公開でバンガードのミューチュアルファンド(米国の投資信託)がバンガードの株を保有するなど、投資家の利益が運用会社自体のガバナンスに反映される仕組みも同社の独特な点です。

資産運用ビジネスのバリューチェーンの中で

ここ数年の日本の資産運用業界を見ていると、バンガードのETFは投資家に直接購入される以外にも、様々な資産運用サービスのパーツとして使われることが増えたと思います。
セゾン・バンガード・グローバル・バランス・ファンドのようなバランス型ファンドのパーツとして組み入れられたり、wealthnaviのようなロボアドのサービスの中で投資対象になっています。

ボーグル氏と大恐慌とウェリントン

ボーグル氏の生涯

ボーグル氏は1929年5月に米国のペンシルバニア州に生まれました。
彼の生家は裕福ではなかったと言われていますが、教育熱心な両親に恵まれ、本人も様々なバイトをし、プリンストン大学に進学します。
1951年にプリンストン大学を卒業したボーグル氏は、運用会社のウェリントンに入社し、資産運用ビジネスでのキャリアをスタートします。そして、昇進を重ねウェリントンの創業者であったウォルター・モーガンの後継者としてチェアマンに就任するまでになりますが、1974年に株価の低迷や合併に伴ういざこざで解任されてしまいます。
この時まだ45歳。とても濃密な人生です。
その後、1974年から75年にかけてバンガードを設立し、翌年にインデックスファンドの運用を始めます。先述した病気の治療のために何度か経営から離れることがあったようですが、1999年までバンガードの経営に関与していました。
参考:
Vanguard(US)ウェブサイト
バンガード・ジャパン ウェブサイト
Wikipedia(en)  John C. Bogle
「捨てられる銀行2 非産運用」(橋本卓典著、講談社現代新書) 第5章
(記述に幅があった箇所はVanguardのウェブサイトに合わせました。)

大恐慌の年に生まれて

ボーグル氏の経歴を見ていて奇縁だと感じるのが、1929年という生年です。
この年は世界恐慌が起こった年。1929年10月24日木曜日はいわゆるBlack Thursdayです。
世界恐慌の年に生まれた人が資産運用業界を大きく変えるというのはとてもドラマティックです。

ウェリントンとバンガード

また、彼が資産運用の仕事を始めたのがウェリントンだという点も興味深いです。
ウェリントンは米国のボストンを拠点にしている長い歴史を持つ運用会社の一つです。
日本でも公的年金・私的年金から資金を受託しているほか、公募投信のサブアド(再委託先)としても存在感があります。例えば、三菱UFJ国際投信のヘルスケアファンドはウェリントンが実質的に運用しています。

https://www.am.mufg.jp/fund/148106.html

ウェリントンはアクティブ運用に定評がある会社なので、一見バンガードとは真逆に見えますが、アイデアを大切にする会社という点は共通していると感じます。投資アイデアをアルファ(超過収益)の獲得のために活かすのがウェリントン、商品設計や事業体制に関するアイデアをコストの削減のために活かすのがバンガードという印象があります。
また、バンガードもウェリントンも非上場であり、どちらも大手の金融機関グループに属さない独立系の運用会社です。

ヴィクトリーではなくバンガード

バンガードの社名は、英国のホレーショ・ネルソン提督ナイルの海戦(ナポレオン軍のエジプト侵攻との戦い)における旗艦「バンガード号」から取ったと言われています。
ネルソン提督が指揮した戦いでは、ナイルの戦いよりも仏西連合軍とのトラファルガーの海戦の方が有名です。
戦略的な重要性のみならず、戦いには勝ちながらもネルソン自身は戦闘中に命を落とすというドラマがあったためです。
ただ、トラファルガーの海戦におけるネルソン提督の旗艦は「ヴィクトリー号」でした。

社名をバンガードにしたのは、アセットマネジメント業界において「勝利」するのではなく、新しい時代を作る「先兵」になるというビジョンをより重視したのだと推測します。

ちなみに、ネルソン提督の最後の言葉は「神よ、感謝します。私は使命を果たした。」だったと言われています。

 

 

以上です。つい長くなってしまいました。
最後まで読んでいただいた方がいましたらありがとうございました。

  • この記事を書いた人

ton

2007年から運用会社や金融機関の運用部門で株を中心に見てきました。 現在は運用業務からは離れていて運用は自己資金のみ。 投信の請求目論見書や指数の算出要領からプロダクトの中身に迫るのが好き。

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