初回執筆:2022年5月
残高更新:2023年6月
2023年6月の基準で、時価総額(純資産総額)が大きな日本株ETFの決算日の一覧を掲載します。
日銀がETF購入を開始(2010年)してから、度重なる購入規模増額(2013年、2014年、2016年)と、コロナ相場下での積極的な購入(2020年)を背景に、TOPIX型・日経平均型ETFの残高は過去10年間で急拡大しました。
そして、規模が大きなETFの決算のタイミングでは、ETFの分配金対応を意識した売買が見られるようになりました。
東証上場ETFの決算日一覧を掲載しているソースは数多あるが、上記の観点からは全銘柄を網羅しているとかえって見にくいので上位12銘柄に絞ったリストを作成しました。
7月のETFの換金売りについては解説動画も作っているのでぜひ併せてご視聴ください
目次(クリックで各項目にジャンプ)
東証上場ETFの日本株の3月末決算から7月のETFの決算&分配までの動きは以下の記事もご参照
時価総額上位の日本株ETFの決算日一覧
No. | 銘柄名(愛称略称等) | 純資産総額 (兆円) | 決算日 | 証券コード | 運用会社 |
1 | NF TOPIX ETF | 19.1 | 7月10日 | 1306 | 野村 |
2 | NF 日経225 ETF | 9.0 | 7月8日 | 1321 | 野村 |
3 | 上場TOPIX | 8.9 | 7月8日 | 1308 | 日興 |
4 | iFreeETF TOPIX | 8.7 | 7月10日 | 1305 | 大和 |
5 | 上場225 | 4.1 | 7月8日 | 1330 | 日興 |
6 | iFreeETF 日経225 | 4.1 | 7月10日 | 1320 | 大和 |
7 | MAXIS TOPIX | 2.8 | 1月16日・7月16日 | 1348 | MUKAM |
8 | MAXIS 日経225 | 2.1 | 1月16日・7月16日 | 1346 | MUKAM |
9 | NF JPX400ETF | 1.3 | 4月7日・10月7日 | 1591 | 野村 |
10 | iシェアーズコアTOPIX | 1.3 | 2月9日・8月9日 | 1329 | BlackRock |
11 | iシェアーズコア225 | 1.1 | 2月9日・8月9日 | 1475 | BlackRock |
12 | MAXIS JPX日経400 | 0.7 | 1月16日・7月16日 | 1593 | MUKAM |
(純資産総額は2023年6月基準, 大和のiFreeは2023年4月にファンド名変更(旧ダイワ上場投信))
ポイント
7月8日と7月10日に集中している。
7月8日決算銘柄の純資産総額合計・・・22兆円
7月10日決算銘柄の純資産総額合計・・・32兆円
実際に毎年市況報道でETFの分配金対応の話題が出るのもこの2日間だけで、7位以下の銘柄の決算日がニュースになることはない。
三菱UFJ国際のMAXISやブラックロックのiSharesは上位銘柄とは残高にかなり差があるうえ、年2回決算(分配)なのでインパクトが分散される。
8日と10日に集中している野村アセット、日興アセット、大和アセットのTOPIX型と日経平均型のファンドは、日本のETF市場の黎明期からあるものだ。
これらのファンドの設定時に、ETFの分配が日本株市場全体に影響するイベントになると予測できた人はいなかっただろう。それゆえ、3月決算銘柄の配当金の入金を待ってファンドの分配を行うというフローを念頭に、7月上旬決算としたのだと思う。
おまけ 過去5年間の7月のETF決算日の騰落率
2017年-2022年にかけて、7月8日の前営業終値から10日の終値までのTOPIXの騰落率は以下の通り。
※8日と10日が土日の場合は前営業日が実質的な決算日になるため適宜調整して計算している。例えば2022年は7月9日と10日が土日なので10日決算のファンドも実質的には8日決算になる。よって上表の2022年は7月7日から7月8日にかけての騰落率を掲載している。
単純に「7日に売って10日に買い戻せば儲かる」となっているのは2019年から2021年の3年だけなので、機械的に張るに心もとない。