株式投資

2022年の株式市場見通し(MorganStanley,J.P.Morgan,Blackrock,Invesco)

2021/12/28

年末なので、主要金融機関が公表する2022年の株式市場見通しをまとめます。 個人投資家でもアクセスできるソースが比較的充実しているところをピックアップしました。 最後に執筆者目線での総括も書きます。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 はじめに 金融機関の株式市場見通しを見る上での注意点1.1 年末いくらになるかは重要ではない1.2 (セルサイド)個人投資家の目に見えるのは長い長いレポートのごく一部2 各社の株式市場見通し2.1 モルガン・スタンレー2.2 J.P. Morgan2.3 Blackroc ...

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ETF

ビットコインETFの概要を届出書で確認(BITO, ProShares Bitcoin Strategy ETF)

2021/10/16

  2021年10月15日、米証券取引等監視委員会(SEC)によるProSharesのビットコインETF(ティッカー :BITO)承認が報じられました。 日本経済新聞  123 Tweets 4 Users 8 Pocketsビットコイン半年ぶり6万ドル超、先物ETF開始へ(写真=ロイター)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN12E7X0S1A011C2000000/【ニューヨーク=大島有美子】暗号資産(仮想通貨)のビットコインの価格が15日、 ...

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株式投資

GPIFが恒大集団の株や債券を保有するのはしょうがない(アセットオーナーとパッシブ運用)

2021/10/1

本稿では「指数に採用されている以上GPIFが恒大集団の株や債券を保有するのは仕方がないこと」という観点から、巨大機関投資家が世界中に分散投資する際に不可欠な「パッシブ運用で面積を取る」という行動について解説します。 その後にGPIFがベンチマークにしている指数について本件と絡めて見ます。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 中華デベロッパーの過剰債務が世界経済を揺るがす2 GPIFの潔い開示はメディアの飯のタネに3 公的年金の資産運用のプロセス :パッシブ運用で面積を取る3.1 政策アロケーション(配分 ...

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株式投資 取引・配当・コーポレートアクション

よく分かる公募増資(フロー、用語、株価への影響):JR西日本のケース

2021/9/4

本稿では、上場会社の公募増資を2021年のJR西日本の事例を題材に解説します。 日本経済新聞  1 Tweet 8 UsersJR西日本、公募増資など最大2786億円調達 グループ初https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF018150R00C21A9000000/JR西日本は1日、公募増資などで最大2786億円を調達すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴い鉄道利用が落ち込み、2022年3月期は2期連続の連結最終赤字となる見通し。財務基盤の立て直しを急 ...

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株式投資

2021年7月中国株急落を2018年以降の米中対立の枠組みで整理する

2021/8/14

2021年7月、テクノロジー関連銘柄を中心に中国株が大きく下落しました。 本稿では、この2021年7月の下落に至るまでの経緯を2018年から続く米中対立の文脈で整理します。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 赤く燃える市場(2021年7月)1.1 2021年7月の出来事2 米中対立下の中国企業に対する米・中両国からのプレッシャー2.1 今に続く米中対立の発端は関税2.2 安全保障と中国企業2.3 中国企業への投資制限2.4 中国政府による中国IT企業への締付け3 おわり 赤く燃える市場(2021年7月 ...

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株価指数

日経平均の算出方法と問題点(+2021年の算出方法変更)の解説

2021/7/7

2021年10月から日経平均の算出方法が変わります。 本年5月に日本経済新聞社は変更点をまとめたドキュメントを公開しパブリックコメントを実施。 7月5日にパブリックコメントへの回答と変更後の算出要領を公開しました。 本稿では、現在の日経平均の算出方法・問題点を解説したうえで、算出要領の変更点について解説します。 現行の算出方法の解説と問題点にもかなり文字数を使っていますので、変更点のみに注目している方は↓の目次を活用してください。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 現行の算出方法と問題点1.1 202 ...

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株式投資

パナソニックのテスラ株売却がすぐに報じられなかった理由(IFRS包括利益の罠)

2021/6/26

2021年6月25日、パナソニックが同社が保有するテスラ株式を2021年3月末までに全売却していたと報じられました。 パナソニックは2010年にEV用電池事業に関する関係強化を目的としてテスラ株を取得しており、当初の取得金額24億円に対し、今回の売却額は4,000億円程度と報じられています。 テスラは昨年からのコロナ相場で話題の中心となった銘柄の1つであり、本件は大いに注目されました。また、25日のパナソニック株は前日比4.9%と大幅に上昇しました。 日本経済新聞  187 Tweets 140 ...

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株価指数 株式投資

日経平均先物と現物の日経平均の価格乖離(配当と金利と貸株)

2021/3/25

本稿では現物の日経平均株価と日経平均先物の価格乖離がなぜ起こるかについて解説します。 実際の数値例を出しますので、教科書的な知識と現実のブリッジとして読んでいただけると書いた甲斐があります。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 日経平均と日経平均先物の価格乖離1.1 配当と金利と貸株1.2 配当と短期金利でどの程度説明できるか2 おわり 日経平均と日経平均先物の価格乖離 現物株225銘柄から算出される日経平均株価(株価指数)と、日経平均株価を原資産とした先物である日経平均先物の価格は、通常は一致しません ...

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株式投資

金利上昇による株価下落でグロース株が特に不利な理由

2021/3/5

本稿では、金利上昇で株価が下落する理由を解説します。 3年前にも似たようなことを書いていますが、現在の局面にあてはめて書きます。 せっかく金利と株価の関係に注目が集まっているのに私の過去記事にはさして流入が無いので悲しいのです。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 金利上昇で株価が下がるメカニズム1.1 金利と株価の関係1.2 配当割引モデルで考える1.2.1 債券への資金流入⇛期待収益率(割引率)の上昇1.2.2 企業業績への影響⇛予想成長率の低下(業種によっては上昇)2 グロース株と金利上昇3 おわ ...

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株式投資

東証の流通株式時価総額の定義変更で何が変わるか

2021/2/18

2022年4月に東京証券取引所が市場区分の再編を行います。 現行の市場第一部、第二部、マザーズ、ジャスダックの区分を再編し、「プライム」「スタンダード」「グロース」に再編する計画です。 この中で、東証が上場審査と上場廃止基準で使用する「流通株式」の定義が見直されます。 これは、2019年に実施された金融庁の審議会でも言及されていましたが、2020年12月に東証から変更後の具体的な計算方法が公表されました。 本稿ではこの「流通株式」の定義の変更について、現在の基準との違い等の観点から解説します。 東証の資料 ...

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株式投資

2022年の株式市場見通し(MorganStanley,J.P.Morgan,Blackrock,Invesco)

年末なので、主要金融機関が公表する2022年の株式市場見通しをまとめます。
個人投資家でもアクセスできるソースが比較的充実しているところをピックアップしました。
最後に執筆者目線での総括も書きます。

はじめに 金融機関の株式市場見通しを見る上での注意点

毎年12月初旬に大手金融機関が来年の株式市場の見通しを発表します。
以前は証券会社中心でしたが近年は運用会社もこの手の情報発信に力を入れています。
自分はこれを見る上での注意点が2つあると考えています。

年末いくらになるかは重要ではない

年間の株式市場の見通しでは「年末日経平均〇〇万円」「年末S&P500△△ポイント」という部分が報道のヘッドラインになりますが、数字そのものにはあまり意味がないと思います。
それよりも、注目されるイベントや、翌年の相場で材料視されそうな事項についてどう見ているかという中身の部分が重要です。

ただし、

(セルサイド)個人投資家の目に見えるのは長い長いレポートのごく一部

証券会社の場合、新年度の市場見通しは長いストラテジーレポートにまとめられています。
これは機関投資家向けに提供される資料(取引手数料の見返り(ソフトダラー) or MIFID2の欧州ではリサーチの対価に金銭を受領)なので、同社の法人顧客でなければアクセスできません
誰でも見られる情報として出てくるのは、概要をまとめたものがホームページに公表されるか、さらにエッセンスの部分がニュース記事になったものです。
「年末いくらではなく中身が大切」と上で述べたばかりですが、一般の投資家が利用できる媒体では上辺の部分しか見られないというのも事実です。
それに比べると、運用会社のリサーチは比較的誰でも見られる状態でそれなりに踏み込んだ内容のものが出ています。

自分も今はセルサイドのリサーチにアクセスできる立場にいないので、本稿はインターネット上で公表されている各社の公表資料と報道記事をもとにしています。

各社の株式市場見通し

モルガン・スタンレー

○S&P500の予想値4,400pt (現在水準▲5%)

モルスタは珍しく、米国株式市場が現在の水準から下落する予想を示しています。
S&P500ベースのEPSは2022年に10%、2023年に8%の着実な成長を見込むものの、バリュエーションが現在の水準からPER18倍程度まで縮小すると予想しています。このPER18倍は米国株の過去5年平均の水準に相当します。
(ちなみに2021年12月23日時点の12ヶ月先予想EPSベースのS&P500のPERは22倍くらいです。)

バリュエーション縮小の原因としては、コスト圧力、サプライチェーン問題、政策の不確実性、税制変更を挙げています。
ネットで誰でも見れる媒体には詳細は書かれていませんが、コスト圧力とサプライチェーン問題については本来今年消化すべきだった事項が2022年にイシューになるというようなトーンです。
"However, we think 2022 will finally bring the multiple compression we incorrectly forecasted for 2H 2021. "

一方、バリュエーションが相対的に低い欧州株と日本株については米国株よりも上昇余地があると見ています。

セクターについては、2022年の株式市場では、セクターやスタイルよりも個別銘柄の選択が重要になると指摘しています。
その上で、経営環境と長期金利上昇を踏まえ、ヘルスケア、不動産、金融、消費サービス・ビジネスサービス、バリュエーションが適切なソフトウェア企業をオーバーウェイト、反対に一般消費財サービス(ConsumerDiscretionary)や、ハードウェア関連のテック銘柄をアンダーウェイトとしています。

J.P. Morgan

○S&P500の予想値5,050pt (現在水準+9%)

J.P.モルガンは比較的株式に強気な方です。

家計や企業の高い貯蓄水準を背景に需要は引き続き強く、各国政府のパンデミック対策の支出は減少するものの大きなGDPの下振れ要因にはならないと予想。
2022年のGDP成長率は、グローバル4.3%、米国3.8%、ユーロ圏4.6%、エマージング4.6%を見込んでいます。

米国株については、2022年にはサプライチェーン問題の解消消費環境/消費行動の正常化による上昇を予想しています。
金融環境については、FRBのテーパリングにも関わらず先進国の全体の中央銀行のバランスシートは2022年末までに1.1兆ドル拡大すると予想。また、米国の中間選挙を前にFRBもハト派的な政策運営となると見ており、株式の上昇のほとんどは年前半に達成される想定のようです。
ただ、株式市場はこれらのシナリオをすでに相当程度織り込んでおり、グロース/バリューを問わずハイベータ株式には厳しい局面となることを予想しています。

欧州株も引き続き強気、日本株は緩やかな上昇、エマージング株は18%の上昇を予想しています。

米国の10年債利回りは年半ばまでに2%、年末までに2.25%となることを予想。現在のFRBの想定では年央までにテーパリング終了、9月に利上げ開始とされているが、市場では7月利上げが見込まれており、2年-10年債利回りが先行して上昇と見ています。
また、実体経済の回復に伴い年の早い段階でイールドカーブがスティープニング化(長短金利の拡大)が起きる可能性があるとしています。

Blackrock

具体的なS&P500の水準には言及していませんが、株式オーバーウェイト、債券アンダーウェイトの見通しです。地域別では先進国株OW、エマージング株ニュートラル。
利益成長と低い実質金利を背景に株式には強気で、米国は強い利益成長、欧州は低いバリュエーションがサポートになるとしています。

出所:BLACKROCK

グローバルで株式プラスリターン/債券マイナスリターンが(2021年に続き)2年続くのは稀なことであるとしっつも、2022年はインフレがコロナ以前より高い水準で安定することで、実質金利が歴史的に低位となりリスク資産をサポートすると予想しています。

ただ、インフレ率が安定せず急拡大するケースでは中央銀行はより積極的な引き締めに動かざるを得ず、その場合は株式・債券ともにリターンを毀損するスタグフレーションとなることを警戒しています。

Invesco

債券より株式をオーバーウェイトとするが、株式内ではディフェンシブ/大型/グロースを重視し比較的ディフェンシブな配分とする見通しです。地域では米国以外の先進国株よりも米国株を重視する一方で、景気サイクルの違いに注目し新興国はオーバーウェイトの見通し。

出所:Invesco

ベースシナリオとして、2022年の世界経済の成長は正常化(鈍化/潜在成長率への回帰)を予想。
各国のコロナ関連の財政刺激の終了は経済の減速要因になると見込んでいますが、インフレも年半ばをピークに低下する見通しです。
一方、年後半にはFRBの利上げ開始が見込まれており、金融市場では経済成長の鈍化と金融引締を折込ボラティリティ上昇を予想。

リスクシナリオとしては、インフレ圧力が持続し各国の中央銀行が金融引締に転換する可能性に言及。

 

総括

まとめると以下のような感触だと思います。

・米国のテーパリング進行と年後半からの利上げが見込まれるものの段階的なものであれば株式に悪影響ではないという味方が多い。世界的には引き続き緩和環境であり、アップサイドは大きくないものの株式を選好すべき。

・地域についての見方はまちまち。米国→利益成長、欧州→リーズナブルなバリュエーション、新興国→回復局面がこれから到来、というあたりがドライバーとして意識されている。

・セクターについてはディフェンシブグロースを推す向きが強い。高バリュエーションの一部のテック銘柄やエネルギー・資本財等のシクリカルバリューは警戒すべきと見られている。

以上、半分自分用ですが参考になれば。
必要に応じてリンク先の原典もご参照ください。

 

 

 

 

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  • この記事を書いた人

ton

2007年から運用会社や金融機関の運用部門で株を中心に見てきました。 現在は運用業務からは離れていて運用は自己資金のみ。 投信の請求目論見書や指数の算出要領からプロダクトの中身に迫るのが好き。

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