株式投資

PER(株価収益率)入門 バリエーション指標でありオッズである

本稿ではPER(株価収益率)の基本的なことについてお話します。
「低いほうが割安」という解説もありますがその観点だけではNGです。

PERの定義

PERは日本語では株価収益率と言って、Price Earnings Ratioの頭文字を取ったものです。

計算方法は簡単。

$$PER=\frac{株価}{一株あたり当期純利益(EPS)}$$

株価を、一株あたり当期純利益(EPS(Earnigs per Share))で割ったものです。

株価はその時の最新の株価を使えば良いですが、EPSはどの時点のものを使うか選ぶ必要があります。株価は会社の将来の業績を織り込むので、現在進行中の決算期(今期)の予想利益を使うのが一般的です。

例えば、Yahooファイナンスの個別銘柄のページでもPER(会社予想)とPER(実績)という2つの基準のPERが掲載されています。前者は、今期の会社の業績予想の数字を分母にしたPER、後者は前期の実績値を使ったPERです。

リンク;Yahooファイナンス

PERの意味 低いから安いはNG

このPERは、株価が会社の一株あたりの利益の何倍になっているかという指標です。例えば、A社の年間の一株あたりの利益が500円で株価が5,000円だったら10倍です。同じ日に、B社の年間の一株あたりの利益が200円で株価が4,000円だったらPERは20倍です。PERだけ見れば、利益の20倍の水準まで株が買われているB社は、10倍までしか買われていないA社と比べて割高と言うことになります。こういった、株価の割高・割安を評価するための指標はバリエーション指標と呼ばれたりします。

実際には、高成長のIT企業がPER80倍で取引されることがあったり、好業績のアルミ精錬会社のPERが8倍であったりと、PERの水準は銘柄や業種によって特徴があります。従って、一概にPERの数字だけ見て割高割安を判断するのは失敗のもとです。

米国CNBCの投資情報バラエティ番組Mad Moneyのパーソナリティとして有名なヘッジファンドマネージャーのジム・クレイマーは「PERはオッズだ」と言っています。競馬のオッズは本命の(人気のある)競走馬ほど低くなりますが、PERは人気があるほど高くなるオッズです。この説明は、業種や会社によるPERの水準の違いを考える上で役に立つ視点です。

例えば、高成長が期待できると皆が考えている会社であれば、高いPERが許容されます。今期の利益で計算したPERが80倍でも、来期に利益が2倍になればPERは40倍、その翌年に更に利益が倍になればPERは20倍です。高成長が期待できると皆が考える銘柄は人気があるのです。

以下のリンクは米国のヤフーファイナンスのアマゾン・ドット・コムのページですが、この記事の執筆時点でPERは235倍です。時価総額がトヨタ自動車の3倍の巨大企業ですが、より一層の成長を市場参加者が見込んでいると言えそうです。

リンク:YahooFinance

逆に、資源関連株や耐久消費財メーカーのように市況や景気動向に寄って業績が変化しやすい会社の株は、PERがそれほど高くなりません。今期は業績好調が予想されている場合でも翌期以降の業績は大きく変動する可能性があるからです。つまり、景気の影響等によって業績がブレやすい銘柄は相対的に不人気なのです。

以下のリンクは日本のヤフーファイナンスの日産自動車(7201)のページです。執筆時点で今期(2018年3月期)の予想ベースでPERは6.25倍です。今期の経常利益が減益予想だというビハインドもあるのですが、自動車株は景気の影響を受けやすい(景気が悪くなると高い買い物は手控える)ので、業界としてPERの水準が低くなりがちです。

リンク:ヤフーファイナンス

 

市場全体のPERという考え方

さて、PERの水準は銘柄や業種により結構まちまちですが、基準になる数値として株価指数ベースのPERを頭に入れておくと見通しが良くなります。

執筆時点では、日経平均が今期予想ベースで12.72倍、東証一部全銘柄(≒TOPIX)が14.80倍です。
これは日経新聞のサイトで確認できます。紙の紙面では市況欄の中央のあたりにあります。

リンク:日本経済新聞 国内の株式指標

おわり

PERは他にもいろいろな切り口で捉えることが出来る指標なので、これからも取り上げていきたいと思います。

ご参考になれば嬉しいです。

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