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Amazonオリジナルの経済ドキュメンタリー「ジャイアント・ビースト」が面白かった

Amazonのプライムビデオで配信されているオリジナルの経済ドキュメンタリーが面白かったので紹介します。

最近では以前ほどAmazonで買い物をしなくなったのですが、プライムビデオとミュージック目当てに惰性でプライム会員を続けています。

ジャイアント・ビースト ~グローバル経済の謎を解き明かせ~

紹介するのは「ジャイアント・ビースト ~グローバル経済の謎を解き明かせ~」という作品です。


出所:Amazon.co.jp

2019年に米国で公開された新しい作品ですが、字幕版がすでに日本のプライムビデオでも公開されています。40~45分の8つのエピソードで構成されています。
原題は「This Giant Beast That is The Global Economy」。複雑かつダイナミックに動く経済活動を巨大な獣に例えています

主演はカル・ペンというインド系アメリカ人の俳優です。
もともと映画やドラマに出ていた俳優ですが、2009年から2011年までオバマ政権のスタッフ(広報部アソシエイトディレクター)としてホワイトハウスで働いていたという異色の経歴の持ち主です。

おすすめポイント

私のおすすめポイントは以下の2点です。

テーマ選択の面白さ

1つ目は、扱っているテーマの幅が広いことです。

本作の8つのエピソードでは、それぞれ異なったテーマを扱っています。
マネーロンダリング、金持ちとサイコパスの相関、ゴム産業、AI、偽物ビジネス、人間の死に関するビジネス、貨幣の本質、汚職

犯罪に該当するようなダーティなトピックから現在進行系のビジネスの話まで、幅広い範囲を取り扱っています。続きものは無いため、1話目から見ることも興味のある回から見始めることもできます。
自分が興味深いと感じたエピソードは後述します。

活字ベースの知識に映像を与えてくれる

本作では、カル・ペンが様々な識者や実務家と対談するために、米国だけでなく欧州、アジア、中東など世界の様々な国を訪れます
この世界各地の経済活動(研究所や法律事務所から農場やアダルトグッズ工場まで)の様子が映像で見られることが2つ目のおすすめポイントです。

経済に関する知識は活字でインプットすることが多くなりがちです。そのため、すでに知っている情報でも実際の場所を映像で見ると、活字だけだった情報に背景の画像が与えられ、点と点がつながるような面白さがあります。

例えば、本作の1話はマネー・ロンダリングを扱っています。
「キプロスは富裕なロシア人の資金洗浄・租税回避のための資金を受け入れている。」
ということを知識としてはすでに知っていても、本作で実際にキプロスの美しいビーチのコンドミニアム(マネロンのために取引する)法人設立を手掛ける法律事務所を取材する映像が出てくると、知識と現地の映像がリンクする面白さがあります。

そういった意味で、前項に挙げた8つのテーマにすでに知識を持っている人が見ても、新しい発見や点と点がつながる面白さがあるでしょう。これはまさに映像の力だと思います。

イマイチポイント

逆に、イマイチポイントは以下の2つです。

主演者の芸風

そういうキャラなのかもしれませんが、カル・ペンが真面目な対談相手に茶化すようなジョークを言ったり、大声でオーバーに笑うところが1話に1回くらいずつあります。これは結構人を選ぶかもしれません。自分は寒いと感じました

専門用語の解説の演出

専門用語(例えば「ブロックチェーン」など)の解説の時に、場面を切り替えての寸劇が挿入されます。経済オタクだけではない幅広い視聴者が楽しめるドキュメンタリー・バラエティを目指したための工夫だと思いますが、自分は好きではありません。寸劇のスタイルにすることでわかりやすくなっているとも思えませんでした。

これは、マイケル・ルイスの著作をもとにした2015年の映画「The Big Short」(邦題:マネー・ショート 華麗なる大逆転)でも使われていた手法です。

本作でもThe Big Shortの監督のアダム・マッケイがプロデューサーにクレジットされているので、Amazonからそういうコンセプトで依頼された作品なのかもしれません。

おすすめエピソード

最後に、自分が特に面白いと感じたエピソードを紹介します。

エピソード3:ゴムのお話
単純に知らなかったので面白かったトピック。天然ゴム(これがなければ車は走れず飛行機も飛べない)を産出するゴムの木は単一性のクローンであり、病気が蔓延して産出量が激減するリスクがある。これに皆が目をつむりながら産業が成り立っているという。

エピソード4:偽物が経済を脅かす(そして発展もさせる)
偽札や偽ブランド品を取り巻く経済についての回。特に、2016年のインドの高額紙幣の廃止の背景と影響について詳しく取り上げられていて面白い。

エピソード7:お金って紙くず?
「貨幣に信用を与えているのは何か?」という根源的な問いから、ゴールドやビットコインまで取り上げる。例えば、金は長い歴史で見ればほぼ完璧な購買力平価である。西暦0年には金1オンスで当時は貴重品だった服が一式買えた。西暦1500年には兵士の鎧一式が買えた。現代ではゴールド1オンスは1,300-1,500ドル。高級な服を一式そろえることが出来る。

おわり

以上です。気になっていた方の参考になれば嬉しいです。
プライムビデオは、ドキュメンタリーが弱いと感じていたので、こういうコンテンツがもっと増えて欲しいです。

 

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