株価指数

バリュー株指数とグロース株指数の計算方法(PBR等で分類)

2021/1/27

本稿では、バリュー株指数やグロース株指数の算出方法を解説します。 日本の投資家が指標として見ることが多い、TOPIX(東証)、ラッセル、MSCIの指数については具体的な算出方法にも触れます。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 バリュー株とグロース株2 「バリュー株指数」と「グロース株指数」2.1 バリュー銘柄、グロース銘柄、そして中間の銘柄2.2 TOPIXのバリューインデックスとグロースインデックス2.3 ラッセルのValue指数とGrowth指数2.4 MSCIのValue IndexとGrowt ...

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株価指数

時価総額世界1位のサウジアラムコは指数にどれくらい入っているか(エマージング)

2020/12/7

ちょうど1年前に、サウジアラビアの国営石油会社のサウジアラムコの上場がニュースになっていました。 この時は「時価総額世界最大!アップルやマイクロソフトを上回る!」という報道が多かったので「発行済株式の1.5%しか売り出さない銘柄を全株数ベースの時価総額で騒ぐのはおかしいでしょ」という記事を書きました。 今回はフォローアップとして、アラムコの株数が代表的な株価指数の算出でどう扱われているかをまとめます。 アラムコのMSCIの浮動株比率は1%強 最初にMSCIサウジアラビア指数を見ます。 2020年11月末ベ ...

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ファイナンス理論

ビットコインと伝統資産の相関関係(株式、債券、ゴールド、ドル)

2020/12/6

2020年11月末、米ドル建てのビットコイン価格は19,000ドルを超え、2017年末以来の最高値を更新しました。 円建てでも現在200万円近辺で推移しています。 ビットコインに限れば、2017年末から2018年初にかけて参入した出川組のほとんどを救う水準まで回復したことになります。 ※出川組⇛出川哲朗が出演するコインチェックのテレビCMが放映されていたのが、ちょうどビットコインが前回高値をつけた2017年12月頃でした。「兄さんが知らないはずないだろう!」ってやつ。 良い機会なので、ビットコインと伝統資 ...

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ETF

全然話題になってない三菱UFJFGのESG/ETNの解説(2070,2071,2072)

2020/11/24

2020年11月26日に、三菱UFJフィナンシャルグループが運用管理するESG関連等の3つのETNが東証に新規上場します。 現在の東証ETNは野村ホールディングスの1社供給なので新規管理会社の参入ですが、これが悲しいほどに話題になっていません。 興味がある人のために、自分がETNの有価証券届出書と指数のメソドロジーを確認して気づいた事項をまとめます。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 ETNの銘柄概要2 ETN-JDRの上場形態(ストラクチャー)3 指数の詳細3.1 (前提1)STOXX JAPAN ...

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ETF

時価52兆円の東証ETF市場の見取り図(ETF/ETN組成形態別の銘柄数と時価総額)

2020/11/17

東証のETF・ETN市場の2020年11月時点の時価総額はおおむね52兆円です。 興味があって組成形態(上場形態)別の銘柄数と時価残高をまとめたので本稿で解説します。 特に海外との重複上場の形態について、JDR形態のもの(UBSの欧米株関連ファンド)と非JDR形態のもの(SPY=1557やGLD=1326)に分けてまとめたものはあまり見ないので、興味がある方は参考にしてください。 東証ETF・ETNの商品形態別銘柄数および時価残高 東証上場ETFの銘柄数および時価総額別の内訳は以下の通り。 時価は複数日に ...

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ETF

東証ETF解説:1570NF日経平均レバレッジETF

2020/10/26

ネタに困ったので、東証上場ETFを順番に解説する企画を始めます。 楽天証券の買付代金ランキング・保有残高ランキングを参考に注目度が高い50銘柄を取り上げたいと考えてます。 似たようなことやってる人は多いと思いますが、仕事でファンドや運用会社のデューデリジェンス(調査)をしていた人間が書くものはあんまりないと思うので参考にしてネ。 一発目は1570日経平均レバレッジETFです。 良くも悪くも現在の日本のETF市場はこれ抜きには語れません。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 ファンド基本データ2 パフォー ...

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株式投資

ドコモのTOBで学ぶヘッジファンドのM&Aアービトラージ

2020/10/1

2020年9月30日から、日本電信電話(NTT)は子会社のNTTドコモ株式のTOBを開始しました。 本稿では、このTOBを題材にヘッジファンドの戦略の一つであるM&Aアービトラージ(裁定取引)を解説します。 TOB初日のドコモ株式の市場終値は3,885円となり、ほぼTOB価格の3,900円近辺まで上昇しました。 この差額の15円に関する取引の解説です。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 TOBの条件2 TOB価格と市場価格の乖離3 市場価格とTOB価格の乖離を取る取引3.1 M&Aアー ...

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株式投資

iOS14の株価ウィジェットの注意点と暫定的な対処(表示銘柄数が減る)

2020/9/20

日本時間の9月18日頃から、iPhoneの最新OSであるiOS14にアップデート可能になりました。 目新しい新機能はいろいろありますが、株価ウィジェットの仕様に注意が必要だと感じたので記事します。 一応当ブログは「iOS 株価 TOPIX」で検索すると最上位近くにあらわれるiOS株価ウィジェットのオーソリティサイトです(大言壮語)。 銘柄数が減る(最大12銘柄⇛6銘柄に) iOSの株価ウィジェットは歴史的に、 純正の「株価アプリ」のウォッチリストに登録した銘柄を上から順にいくつか表示する という挙動をして ...

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取引・配当・コーポレートアクション

みずほFGの事例で株式併合と単元未満株と端株を解説

2020/9/19

みずほフィナンシャルグループが、2020年10月1日付けで10対1の株式併合を行います。 本稿では、株式併合の注意点について本件を題材に解説します。 「単元未満株式の取り扱い」「端数の処理代金」「なぜ会社は株式併合をするのか」についても解説します。 目次(クリックで各項目にジャンプ)1 株式併合とは1.1 会社法の規定1.2 みずほFGの併合のスケジュール2 株式併合の論点2.1 単元株制度との取引所の売買単位2.1.1 会社法における単元株式制度2.1.2 単元株数と売買単位のリンク2.2 端株の取り扱 ...

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株式投資

ソフトバンクのオプション取引のニュースを理解するためだけのオプションの解説

2020/9/6

2020年9月4日、米国株が主力ハイテク銘柄を中心に調整するムードの中、ソフトバンクグループのオプション取引の報道が世界中に流れました。 もとの報道は英Financial Timesです。 www.ft.com  2 usersSubscribe to read | Financial Timeshttps://www.ft.com/content/75587aa6-1f1f-4e9d-b334-3ff866753fa2News, analysis and comment from t ...

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ファイナンス理論

時間加重収益率(修正ディーツ法)を口座データからエクセルで計算する

本稿では時間加重リターンの計算方法について解説します。
時間加重リターンの計算方法の1つである修正ディーツ法を使って、実際に楽天証券の口座開設者が取得できるデータで計算してみます。簡単な数値例を使った解説は多くありますが、実際の数字を使ったものはあまり無かったので参考になれば嬉しいです。

時間加重リターンとは

時間加重リターンは、資金の入出金の影響を除いた運用成績を見るための収益率の計算方法です。

例えば運用会社が投資家と信託ファンドで投資一任契約を結んでいる場合、投資家の判断による運用金額の増額(嬉しい)や減額(つらい)があります。このとき、増額であれば信託ファンドに現金が入って来て、減額の場合は現金が出ていきます。そのため、資金流出入の影響を排除したうえで、ファンドマネージャーの運用能力を見るための収益率が必要です。

個人投資家の場合であっても、投資判断に基づく売買や積立による買付によって、証券ポートフォリオに資金流出入が発生します。
個別株を買っている投資家はもちろん、複数の投信やETFを組み合わせたポートフォリオを運用している場合も、自分の運用成績がMSCIコクサイやTOPIXと比較してどうだったかを検証したくなると思います。
そうした場合には時間加重収益率にして資金流出入の影響を排除してやらないと適切に比較できません。

時間加重収益率の基本的な考え方と修正ディーツ法

時間加重収益率の基本的な考え方

時間加重収益率の重要なコンセプトは2つです。

1点目はリターンが幾何的にリンクすること。具体的には

2019年の収益率=(1+2019年1月の収益率)×(1+2019年2月の収益率)×(1+2019年3月の収益率)×・・・×(1+2019年12月の収益率)-1

ということです。日次で計算する場合は日次の収益率を1ヶ月分かけ合わせたものが月次のリターン、1年分かけ合わせたものが年間のリターンになります。

2点目はポートフォリオへの資金流出入を調整すること。
時間加重収益率の計算方法はいくつかありますが、違いは資金流出入の調整方法です。
例えば、日次厳密法の場合は、資金流出入があった時点で期間を区切ってリターンを計算していきます。運用会社の業務以外で計算するのは非現実的だと思うので詳細には立ち入りませんが、資金流出入のデータと、資金流出入があった日のポートフォリオの時価評価額が必要になるので、ハードルが高い方法です。

公表されているドキュメントとしては、日本証券アナリスト協会がGIPS(国際投資パフォーマンス基準)の邦訳を公表していますので興味がある方は併せてご覧ください。

https://www.saa.or.jp/investment/pdf/gs_calculation_2011.pdf

修正ディーツ法

修正ディーツ法は、日次厳密法ほどハードルが高くなく、資金流出入のデータと月末の時価評価額があれば計算できます。

計算方法は以下のとおりです。

$$期間tの収益率=\frac{t期末の時価評価額 - t期初の時価評価額 - t期のCF総額}{t期初の時価評価額 + (t期の個々のCF×調整ファクター)の総和}$$

ここで、
t期末の時価評価額・・・月次であれば当月末の時価評価額
t期初の時価評価額・・・月次であれば 前月末の時価評価額
t期のCF総額・・・期中のキャッシュフローを流入ならプラス、流出ならマイナスとして合計

また、

$$調整ファクター = \frac{t期の日数 - t期初からCF発生日までの日数}{t期の日数}$$

です。
分子(時価評価額の変動≒収益)の計算では期中のCFはそのまま加減し、分母の計算では期中のCFは発生のタイミングでウェイトをつけて加減します。

楽天証券ユーザーが実際に計算する

それでは、実際に計算してみます。

材料を集める

まず材料を集めます。
自分の口座で実際に作業したところ、自分が口座を開設した2009年までは遡って取得できました。10年以上遡れることに非常に感動しました。
当時使っていたもう一つの証券会社のジョインベスト証券はころころサービスが変わり、承継したN証券は24ヶ月しかデータを遡れません。

月末残高

月末残高のデータは口座管理⇛資産管理から取得します。

これはcsvでダウンロードできないので、WebページからEXCELに手動でコピペしました。スクレイピングの技術がある人はプログラムを書いてもいいと思います。技術がなくても10年分20分程度でEXCELにコピペできました。

取引履歴

キャッシュフローのために取引履歴を取得します。これは口座管理⇛取引履歴から取得できます。

商品ごとに取得する必要がありますが、これはcsvでダウンロードできます。
マイナス金利導入以前から取引している場合は投信の検索対象からMRFを外しておくとはかどります。

配当金

同様に、口座管理⇛配当金・分配金から配当金のデータを取得します。

これもcsvで取得できます。

具体的な計算過程

方針を決める

計算を始める前に、キャッシュフローの取り扱いについて方針を決めます。

1.証券口座の待機資金
証券口座内に待機資金としてキャッシュを置いている人も多いと思います。
証券口座をファンドとみなすのであればこれも月次の評価額に含めるべきです(キャッシュ込みのリターン)。一方で、証券ポートフォリオの収益率を確認したいのであれば口座内のキャッシュは除いた方が目的の数字に近くなります。
運用会社はもちろんファンド内のキャッシュを含めたリターンを計算しますが、個人投資家の証券口座でも同様にすべきかは口座の使い方次第だと考えています。
そのため、本稿ではキャッシュを含めないベースの計算方法を解説しています。キャッシュ込みで計算したい場合は、取引履歴の代わりに入出金履歴を使うとうまく行くと思います。
また、信用と先物をしているのであれば、証拠金込の資金効率が大切ですが、本稿では取り上げません。

2.配当金・分配金の取り扱い
時間加重収益率は、スポンサー(ファンドの投資家)都合の資金流出入の影響を排除するための方法なので、基本的に配当金は考慮しません。
個人の場合でも、証券口座内の待機資金を含めてリターンを計算するのであれば、配当金は考慮しなくて良いでしょう。ただ、前段の取り扱いで、証券部分のみのリターンを計算するのであれば、この方法だと受取配当金相当額が漏れてしまいます。
本稿ではいささか手抜きですが、月間の受取配当金を計算の分子に加算することにします。配当金を月末に受領し、すぐに引き抜いたという想定です。

月末残高の整形

預り金を含まない証券残高のみの月次推移を作ります。

キャッシュフローデータの整形

取引履歴を加工してキャッシュフローデータを作ります。

自分はこのように、ダウンロードしたデータの先頭に9つ項目を足して集計しました。
「約定日」をYEAR、MONTH、DATE関数を使ってばらばらにし、YEARとMONTHをつなげて集計用のKEYを作ります。

月営業日は、別のシートに日数テーブルを作り、MONTHをキーにしてVLOOKUPで取得します。

DATEと月営業日から分母で使う調整ファクタを計算します。CF符号は「取引」列を参照して買付なら”1”、解約や売付なら”-1”を返すように条件を入れます。CFは「受渡金額」にCF符号をかけて買付なら資金流入(プラス)に解約なら資金流出(マイナス)にします。最後に、調整ファクターと符号を付けたCFを掛けて調整CFを算出します。

これは投資信託の例ですが、日本株はほぼ同じようにできます。外国株だとキャッシュフローを円換算するように整形してやる必要があります。

また、配当金は、配当再投資を選択している投信を除外し、米国株の配当金はレコード中に円換算できる材料が無いので適当なレートで円換算するという調整を行いました。

計算

最終的にはこのようになります。

取引履歴から作成したキャッシュフローのデータを月ごとに足し合わせます。データの整形で作ったCFと調整CFを月ごとに合計します。
また、受取配当金は調整ファクター考慮せず、月中の受取金額をそのまま集計しています。
そしてN列で収益率を計算します。

$$収益率=\frac{月末の時価評価額 - 前月末の時価評価額 - 月中のCF総額 + 月中の受取配当金}{前月末の時価評価額 + (月中の個々のCF×調整ファクター)の総和}$$

ここまでは来れば、年率にしたりベンチマークと比較したり出来るようになります。

おわり

長くなりましたが、やってることはデータの数ほど複雑ではありません。

ただ、今回は楽天証券のデータで紹介しましたが、口座が複数社に別れているとデータの整形がかなり手間がかかります。本文では触れませんでしたが、実は自分は旧ジョインベスト証券で保有していたデータを手元の記録から作成して入れ込んでいたのでかなり萎えました。

参考になれば嬉しいです。

  • この記事を書いた人

ton

2007年から運用会社や金融機関の運用部門で株を中心に見てきました。 現在は運用業務からは離れていて運用は自己資金のみ。 投信の請求目論見書や指数の算出要領からプロダクトの中身に迫るのが好き。

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